ロンドン百景その33:『V&A子供博物館 (V&A Museum of Childhood)』のゲームコレクションが地味にイケてる件
皆さんこんにちは。
オタクがロンドンを徘徊しているブログ、と銘打っているにも関わらず、最近非常に内容が薄いというか大衆寄りなのでは、という意見を読者の方から頂いたので、ここで一発テコ入れです。
突然ですがビデオゲームにおけるイギリスの存在感とは、いったいどの様なものでしょうか?
そうですね、世界で最も残酷でグロく倫理的にも問題がありすぎるゲームを量産する国家、それがイギリスです。
『カーマゲドン*1』を生み出してしまったイギリスであり、来たの地スコットランド王国の都エディンバラには『マンハント』や『グランド・セフト・オート』といった、人としてどうなの?というゲームを生み出し続ける狂気の集団「ロックスター・ノース」の総本山がございます。
▼ロックスター・ノース本社
http://midlifegamer.net/news/2010/07/developer-profile-rockstar-north-2.html
このような土壌があるのが、イギリスです。
ではその源泉はどこから来ているのでしょうか?ロンドンっ子は皆幼少時代に何か、特別な経験でもしているのでしょうか?
ここはロンドン、博物館の街です。分からないことがあったら博物館にGO!!ということで、『V&A子供博物館』に行って来ました。(入場無料=当たり前)
・そもそもV&Aとは?
栄光ある大英帝国最強時代を築いたヴィクトリア女王とその夫アルバートの名を戴く博物館で、ロンドン万博の展示品を収めるために作られたとか。本館は超高級エリアサウス・ケンジントンにあり、城の様な入り口が有名。その別館として建てられたのが、この『子供博物館』なのだ。
博物館自体はスーパー地味
『子供博物館』は東ロンドン、移民がとても多く昼にはコーランの詠唱が聞こえる「ベセナルグリーン」駅の近くにあります。筆者が住んでいたのも「ベセナルグリーン」。いい街です。
外観は中途半端に古い教会のようですが、中に入るととにかく子供が多いことに驚くはずです。『博物館』と言ってはいますが、どちらかと言うと東京の『こどもの城』に近い雰囲気といえば分かり易いでしょうか。
この子供たちが将来、世界に類を見ないほど非常に残酷で倫理的に疑問符が付く作品を創造するかと考えると、とても興味深いです。
展示には伝統を感じる
▲幻灯機のフィルム
とは言え、 展示はイギリスらしくお上品で行儀のいい感じ。
産業革命期あたりからの子供の「おもちゃ」や「遊び」が紹介されており、しっかりと研究をしている様子が伝わってきます。
何故か全体的にピンク。
▲映画の先駆け、回転覗き絵こと「ゾエトロープ」。実際に、自分で回転させて見ることが出来る。
紳士の国なので鉄道模型も気合が入っている
ここからは鉄分高めです。
イギリスというと誰もが認める「鉄道大国」です。鉄道のお母さん、それがイギリスなのです。
今でこそ日本のKATOとかが有名ですが、ヨーロッパの鉄道模型文化は100年以上前からの紳士の嗜みでした。
そんなイギリスの鉄道模型が、OからHO、N、Zまで様々な種類と共に展示。
好きな人にはたまらないでしょう。
1976年頃のNゲージのレール。フレキシブルレールみたいです。
▲そこそこ大きなレイアウトも勿論ありました。イギリスの街を再現したレイアウトで出来は良かったです。
ロンドンのキッズもこれには目が釘付け。
ストラクチャーもいい味出してます。ちなみにコントローラーが出ており、自分で運転することも出来ます。
伝説級のエレメカやLSIゲームが!!
さらに時代が進むといよいよゲームの登場です。
まずはコレ、トミーの「Tomy Digital Derby」(ブラックレーサー)です。
発売は1978年、モーターの力で車の絵が動くLSIとはまた違う味の原始的ゲームですが、本体がとにかくカッコイイです。展示品は箱の保存状態も良く、まさに博物館の展示品という感じでした。
グランドスタンド ファイアーフォック ス F-7
グランドスタンドはかつて存在したイギリスのゲーム会社で、1970~80年代に活躍したようですが世界的知名度はあまりありません。トミーやエポックのコンソールを輸入し、ローカライズしていたようです。しかしここイギリスのご当地メーカーという事で、V&A博物館にもLSIゲームが収蔵されています。
その名も「ファイアーフォックス F-7」というシューティングゲーム。
日本だとまずお目にかかることはないでしょう。
その他にも謎のゲームが多数展示。
左は初代Xbox。改めて見るとデカいですね〜
そして遂に降臨、時代が求めた16bit。
もしかしたらメガドライブが一番強調されていたかも知れません。
地味に放置されたプレイステーションと違い、丁寧に並べられたソフトパッケージ、コントローラーなど、その展示面積はプレステの3倍です。イギリス人分かっています。
さらに携帯ゲーム機も充実。
ゲームボーイから「たまごっち」(何故かUKで大人気)まで、なんとなくではありますが時代の変遷を見ることが出来ます。
他にも10倍ほど「子供」に関する展示があったのですが、いかんせん物量が多いので今回はこれくらいにしておきましょう。
また掘り出し物があったら追記いたします。