【ロンドン百景】その20:デビッド・ボウイの死去追悼inブリクストン
巨星が墜ちた。デビッドボウイは69歳の誕生日を迎えた直後に、ニ息を引き取たおという。最新アルバムの『★』をリリースした直後でもあった。
このニュースはすぐさま世界を駆け巡り、多くの人々に衝撃を与えた。ロンドンは彼の生誕の地でもあり、特にビクトリア線の終点ブリクストンは生誕地として当日多くのファンが集結していた。
デビッド・ボウイの壁画。花が供えられている。
ブリクストンはポップカルチャーが熱いナウいヤングも多い街で、1/11の午後9時ごろに辿り着いた時には既にフェス状態になっていた。ハッパの匂いがあちこちから立ち込めており、ヒッピー感のあるグルービーな雰囲気があった。ほぼ全ての人が酒を飲んでるのでは、と言うほど皆瓶ビール片手に踊ったりクラッカーを鳴らしたりしていた。危ない険悪な雰囲気は殆ど無かったと思う。何故なら参加者の多くが白人であり、さらに大部分が20代30代の若者のそこそこ洒落た人々だった、という人種的特徴があったからだ。
安らかな眠りを、真のロッカー”デビッド・ボウイ”
警察は始めは静観しているだけだったが、次第に一部の車道が歩行者に占領されるようになり、それによって警察が車道を封鎖してたりしていた。が、群衆に注意したりという光景は殆ど見られなかった。
警察の様子などについては、こちらの動画から見ることができます
大部分の溢れた人々は友達と来てたりしていて、歌ったり叫んだりしていた。多くの路上バンドが行われており、群衆に取り囲まれ場を沸かしていた。
またデビッドボウイの壁画の前には、多くの花とそれを手向ける人々で埋め尽くされていた。しかし、その脇に1人の黒人女性が佇んでおり、怒りの表情をチラつかせながら時折何かを叫んでいた。明らかにジャンキーだったのだが、なんと献花台に侵入して花を踏み荒らしたりロウソクを粉砕したりしていた。
周りの人はひどく悲しそうな顔をしていたが、何も言う事がなかった。暫くすると、消えていった。
その他にも怪しい連中が大挙して押し寄せており、謎のタバコのようなものを売る露天商や目つきのヤバい集団など、売る側は黒人が多かった。
それでも明らかに10代の女の子の集団などもかなりいて、正直危険な香りしかしなかった。
『★』は非常に終末的なアルバムで、ラザロなどは特に執念や未練などが感じられた。ブリクストンに集結していた連中は若く陽気な人が多かったが、デビッドボウイ最後の叫びは全く異なるものになったようだ。